同じ英語圏であることから、ハリウッドの映画産業とは結びつきの深いイギリスの英国映画テレビ芸術アカデミーが毎年、映画界に多大な貢献をした者を、本国ではなく、アメリカ国内で表彰するブリタニア・アワーズの授賞式が、先週木曜日の10月30日に、ロサンゼルスで行われ、今年最も活躍したイギリス人に与えられる賞に選ばれたエマ・ワトソンの素晴らしいスピーチです…!!
“ 私にとって、イギリスの映画産業とは、ただ仕事の場ではなく、自分がまさに、そこで育ち、成長をした場所に他なりません。映画の現場は、私にとっては、もうひとつの家庭も同然でした。”…などと語り始めたエマ・ワトソンによれば、わずか11歳にして初めて、ハーマイオニーを演じた「ハリポタ」シリーズの第1弾「賢者の石」(2001年)の撮影中に、現場のセットで飼っていたペットのハムスター、ミリーが心臓発作を起こして死んでしまったところ、美術のスタッフが、ミリーのために、マホガニーで小さな棺桶を作ってくれたばかりか、ベルベットの縁取りの飾りと、ミリーの名前を刻んだ銀の小さなプレートまで、棺桶に取り付けてくれたそうです…!!
…と、そんな約13年前の出来事を突然、檀上で語り始めた理由を、自分にとっては特別に意味のあることで、信頼のもとになったといった風に、エマ・ワトソンが述べていることからして、その時にふれた映画人の心の優しさが、ハーマイオニーを支え続けてくれたお陰で、自分が今日ここで、晴れの賞を受けとることができたという感謝の気持ちが込み上げてしまったのに違いないであろうことを思うと、女優エマ・ワトソンのルーツを知るうえで、かなり貴重なスピーチだったに加えて、映画の好きな人や、映画に携わる人はみんな、ハムスターの棺桶を作る人であってほしいと思わずにはいられません…!!、もしも、ハムスターのミリーが撮影中に死なず、映画人の心意気にふれることがなかったら、子役のエマ・ワトソンの心は何かの拍子に途中で挫け、「ハリポタ」シリーズを完走することはできなかったかも…?!、そんなエマ・ワトソンの思いが、“ この賞をハムスターのミリーに捧げます…!! ” というスピーチの締め括りに込められているであろうことを察すると、共感せずにはいられない名スピーチだったのではないでしょうか…!!